ぺツルのアイススクリュー、レーザースピードライトが、新型になりました。
アイスクライミング界隈では、最も大きいシェアを獲得しているアイススクリューで、オレンジ色の軸は、アイスクライミングをしている方は誰もが一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
発売当初は、皆スクリューの軽さに歓喜し、我先にと買いに走ったものです。
それが今季、改良型となりました。
変更点は、先端が4つ→3つになったこと。
左が旧型で、右が新型。
先端部に違いが見られます。おそらく、胴体の山の数や幅にも違いが出てきているはずですが、正確には数えていません。見た目はそこまで違いはありませんが、山の数の変更が支持力の差に繋がるのか、興味深いところです。
残念ながら、実験設備もありませんので、正確な“数値”を出すことはできません。ここでは、“使用感”がどのように変わったのかをご紹介させていただきます。
旧型の特徴は、
- 軽い
- オレンジ色がオシャレ
- 氷に入りやすい
- 水氷に弱い(入りにくい)
でした。
まずは、重量からみていきましょう。13cmのもので、旧型91g→新型91gと“軽量化されていません”。
私はてっきり、後発でより軽量なブラックダイヤモンドの軽量アイススクリュー『ウルトラライトアイススクリュー』に対抗するために、改良が行われたと予想していました。ですが、重量の変更はありませんでした。因みに、ブラックダイヤモンドの『ウルトラライト』は、13cmで81gですので、『レーザースピードライト』は10g重いことになります。
また、色も変更ありません。
次に機能面をみてみましょう。
『レーザースピード』シリーズがシェアを獲得した最大の理由は、氷への“入りやすさ”。最初にねじ込むと、直ぐに氷に喰いつき、面白いようにスルスルと入っていく。
先端部の改良が行われたことから、ここら辺の変化が気になります。
実際に何十回か登ってみての個人的な感想となりますが、“最初の喰いつきは良い”と感じました。歯が4→3に変更されたことで、歯1つ当たりに掛かるスクリューを押す圧力が増加したのか、歯の角度が変更になったからなのか、喰いつきは良かったです。
だけどもだけど、、、、氷の質にもよりますが、改善とも言えない場面もありました。
アイススクリューを最初に喰いつかせるまでには、何回か回転させる必要があり、その際ヘッドから手を一瞬離したり、掌底部で押さえつけたりする場面があります。言い換えると、最もスクリューを落とすリスクのあるところです。
先端部が氷に喰いつき、ヘッドから手を離しハンドルを回すというまでの動作の間は、スクリューは先端部のみが氷に刺さった状態になります。
この時のスクリューの安定性を、新型・旧型で比べたところ、やはり3.4回持ち替え=2回転ほどの深度では、3つ歯の新型の方が4つ歯よりも氷と察する面積が少ないのか不安定な場面が見られました。
次に『水氷』ですが、残念ながら旧型から著しい改善を体感することはできませんでした。新型もやはり入りにくい。
と、ここまでは、特段の改善点は見られなかったですが、新型は硬い氷にはより抵抗なく入っていく感覚がありました。寒く、氷がメチャメチャ硬くなる地域では、かなり有効な改善と言えると思います。
また、検証はできませんでしたが、過去に旧型の4つ歯のうちの1つが折れてしまっていたことが2度あります。新型は、歯の付け根部分の幅が旧型よりも広がっているため、耐久性が上がっていると嬉しいですが、、、、
そして、この新型レーザースピードライトで、最も注意が必要な点は、ぺツルのアイススクリュー専用研ぎ機『リムアイス アイススクリュー シャープナー』が使用できないことです❗️❗️
喰いつきやすいとか、少し改善されたとか、そんな話が吹き飛んでしまうほど重要なポイントです‼️
ぺツルは、これまで専用の研ぎ機がありましたが、新型にはまだ対応品が発売されていません。それは、メンテできないということです‼️
これまでも何本となくアイススクリューを研いできましたが、リューターなどで研ぐのは神経を使います。一本ならともかく十本単位ともなると正直しんどいです。
だからこそぺツルのアイススクリューとリムアイスは黄金のコンビでした。
言い換えれば、『ゴールデンコンビ』❗️つまり、『翼くんと岬くん』でした。
一刻も早く岬くんがフランスからやってくることを願わずにはいられません🙏