2.3年前に登場した、サレワ のアイススクリュー 、その名も『クイックスクリュー(Quick Screw)』。
発売当初、なんと画期的な道具なんだと思い、ぺツルのスクリューからほとんど買い換えた。今日はそんなクイックスクリューの良い点、悪い点をご紹介しようと思う。
まずは良い点‼️
①カラビナと一体型
カラビナと一体型であるから、スクリューを打ち込む際の手間を数手減らすことができる。
通常のスクリューであれば、「スクリューをギアラクックから外す、氷に打ち込む、クイックドローを同じく外し、スクリューに掛ける」の4手順が必要になる。
しかし、クイックスクリューであれば、「スクリューを打ち込む、ギアラクックから外す」の2手で済んでしまう。この差は長いルートになる程効いてくる。
②スクリュー落下リスクの低減
通常のアイススクリュー を打ち込む際や抜く際に、スクリューを落とした又は落としそうになったという経験があるかと思います。
サレワ のクイックスクリューであれば、カラビナが付いているため、肩掛け型のギアラックにかけていれば、ギアラックから外さずに氷に打ち込むことができる。外さないということは、手元が滑っても、落下することはない。
③服が破けない
歯が収まるケース部分があるため、歯が服に引っかかって、服が破けるなんてことがなくなります。地味にナイスなメリットです。
④ハンドル部がコンパクト
これが最大のメリットだと思っています。スクリューを最初に氷にねじ込む時に、ハンドルのヘッドを3.4回持ち替えなくてはいけません。ヘッドが小さいということはヘッドから手が離れる瞬間が少なくて済む=挿しやすい。これがサレワ に買い換えた最大の理由です。
次に悪い点
①重い
アルミ製のスクリューよりも大分重いです。アルミスクリュー+クイックドローよりもわずかに重い程度ですが、アルミスクリューの軸に直接カラビナをつけたものに比べると、『重い』です。
②表面のメッキが剥がれる
最大のデメリットです。スクリューの表面がメッキでコーティングされていますが、使用回数にかかわらず、そのメッキが剥がれる可能性があります。
私のは1回目で剥がれたスクリューもあります。剥がれるとアルミホイルみたいのがスクリューに絡みついて氷に刺さらなくなります。
これは、正直ヤバイです。マルチだった場合、途中でスクリューが使えなくなるなんて、めちゃめちゃピンチです。笑えないほどのピンチです。
で、この件について、販売店を通じて代理店である株式会社アスティーに、『初期不良ではないか』と問い合わせました。
回答は、『特に問題ありません』とのことでした。
製品については以上です。メリットも多いですが、最後のデメリットが大きすぎて、私はオススメできないかなと感じています。
というのも、物によって差がある(何度使っても問題ない製品と1回目でメッキが剥がれる物が混在している)にも関わらず、アスティーが『問題なし』と回答したということは、アスティーは工業製品における、この程度の品質の差を許容範囲と判断しているということです。
危険なスポーツであるアイスクライミングにおいて、品質にバラツキのあるスクリューは、他製品に比べ信頼度が低いと言わざるを得ないでしょう。