前回までのあらすじ。
扇沢から入り、ロープウェイ🚡を乗り継ぐなどして、立山を縦走。ロッジくろよんまでの2泊3日。
そして、第2段として、ロッジくろよんから「上ノ廊下遡行」に入ります!
行程は、基本的に5日間で、水量により柔軟に調整する計画。
では、気持ちを新たに行ってきます!(ました)
第2弾初日
ロッジくろよん〜平ノ小屋渡船場〜奥黒部ヒュッテ〜東沢出会〜熊ノ沢出会手前(泊)
初日は、丸一日歩きっぱなし。荷物も重く、標高も1300メートルほどで気温も高い。
だいたい20キロくらいを背負い、行動時間は8〜9時間ほど。足は問題ないが肩が痛い。
とにかく長い。
事前に、遊覧船の会社に、経路途中の平ノ小屋付近で降りることはできないか問い合わせてみるも、「無理」との回答。桟橋がないため降ろせないとのことだったため、「付近で飛び込んで、あとは泳ぎます」と交渉するも、「もっとダメ」との回答。思いついてしまった時は、一気に短縮できるいい案だと思った、正直。
ということで、テクテク歩きました。
平ノ小屋では、県警ヘリによる、吊り上げ救助が行われていたところに遭遇。ここからは、怪我をすると自力下山できない=遭難になることを肝に銘じる。
平ノ小屋渡船場で黒部湖を渡る。12:00の便に余裕を持って間に合う。
黒部川の水がきれいに見える。時折大きな魚が見え隠れ。奥黒部ヒュッテまでに釣り師の方もちらほら見受けられる。話を聞くと、40センチオーバーのイワナに竿を折られたとか、、、。せっかくここまで来て、竿が折れて釣りができないなんて、一体なんの試練??
奥黒部ヒュッテまでは、道も橋もよく整備されている。アップダウンがあり、なかなかにハード。
奥黒部ヒュッテで、改めて、紙の登山届の提出を求められるので、コンパスなどの電子届け以外にも用意しておく必要あり。いよいよ上ノ廊下に入るため、沢装備に変更し、小屋で、水量、天気、他パーティーの情報を共有していただく。
2024年は例年通りの水量。2023年と比べると多いが、敗退パーティーは、話を聞いた時点ではなし。天気は翌日は雨の可能性あり、翌々日は雨とのこと。
5センチ、10センチ水位が上がるだけで、渡渉できなくなる恐れがあるため、口元ノタル沢など核心と言われるの場所は早めに通過することで意識を一つにした。
熊ノ沢出会いで幕営予定だったが、先行パーティーの野営が見られたため、その手前で1日目を終了した。
釣果は、テンカラで4匹。尺未満。
ペペロンチーノとお酒、おつまみで乾杯。皆、荷物を軽くしたいので、おつまみが出てくる出てくる。
翌日は、雨を警戒し、早めに出発するはずだったが、結果的に6時発。
本格的に遡行開始。水は冷たく、浸かる場合は、なるべく短時間に抑えたい。
口元ノタル沢で先行パーティーに追いつく。かなり手こずっているようで、なかなかの待ち時間。中央から泳いで右岸を突破しようとするも、その先で左岸に渡渉できるかが不明のため、おとなしく順番待ちをする。
約1時間待つも、自分たちは特に問題なく20分ほどで通過。
天気が崩れることはなく、歩を進める。途中、雪渓があったので、物色。ウドと行者ニンニクをゲット。
赤牛ノ沢出会いを過ぎたあたりで平らな砂地を発見。立石奇岩付近まで行く予定だったが、ここを幕営地とする。
夜ご飯は、うな丼に、山菜スープ。今回はアルファ米ではないので、オコゲがうまい!山菜も美味!
寝床が良かったのでぐっすり快眠。
3日目は6時発。水が冷たい中、泳ぎからスタート。黒ビンガを超えて立石奇岩まで、約1時間。
奥に見えるのが立石奇岩。
ここ以降はあまり良い幕営地が見つからなかったので、2日目に砂地の幕営地を選んで大正解!
立石奇岩を過ぎれば、あとは、渡渉があるのみ。B沢出会いまでひたすら歩く。
B沢出会いからは、破線の登山道に合流するが沢筋に沿って上ったり下ったりがあるので、適宜、登山道と沢を混ぜながら楽な道を行く。
13時頃に薬師沢小屋着。ユーチューバー?が撮影をしていた。ユーチューブを見ている分にはわからなかったが、観衆の前でGoProに向かって1人解説をする、、、、メンタルの強さが肝要か?!
ここから、一気に太郎平小屋まで進むことにするが、問題が1つ。行程が1日短縮できたため、折立からのバスの予約変更しなくてはならない。
その時点では、バス会社の営業時間が分からなかったため、17時と仮定して、携帯の電波の通じる太郎平小屋まで急いで登る。途中、間に合わない可能性が濃厚になったため、1人が先行することとした。
「走れメロス」状態で、全力で登る。途中、雷鳥が2羽、登山道脇にいて、それを観察していた美女に話しかけられた。
メロスは揺らいだ、、、、
が、残り10分。折立てに1日停滞するのはなんとしても回避したい!という思いが勝ち、泣く泣く美女と会釈だけして先を急いだ。
結果的に16時57分に到着した。汗ダラダラ、喉カラカラ。とりあえず荷物を置き、電波を探して歩き回る!
なんとか、電話が通じたものの、電話では乗車日の変更はできないと告げられる。ネットで変更しようにも、回線が遅すぎて、タイムアウトになってしまい、手続きできないことが判明。
メロスは燃え尽きた、、、
ただ、翌日は雨予報ということもあり、朝9時のバスには、19席の空きがあるとの情報を手に入れた。翌日は、朝一で下山し、バス停に並ぶことで意見が一致。
夕焼けに照らされる雲海と、チングルマ。夜には満天の星空が疲れを癒してくれる。
そうそう、太郎平小屋で件の美女を発見!
「先程は〜」と話しかけようと、完璧な会話術を考えながらもじもじしていると、気づいてしまった。
3日間沢に入っていた自分が信じられないほど臭くなっていることに。沢水、汗、焚火、、、、
恐ろしい匂いだ。
メロスは絶望した、、、、
翌日は、何としてもバスを逃せないため、2時間半ほどの下りだが、4時に出発。7時頃にバス停に一番乗り。9時のバスを待つこと2時間。無事にバスに乗ることができ、そこから電車などを乗り継ぎ、扇沢に到着。
本当に楽しい夏のプチ冒険となった。