山に行けないもので、道具の紹介ばかりになってしまい申し訳ありません。
今回ご紹介するのは、世界の果てまでイッテQで、イモトさんが南極の最高峰ヴィンソン・マシフ登頂をした時に使用された事で一躍有名になった、『The 3rd Eye Chakra』の『The Back Pack #001 60L+』です。
このメーカーは、山岳写真家でもある創始者が、極地での写真家のために、又ネパール🇳🇵の現地の人にお金を巡らせたいとの思いで立ち上げたメーカーで、小規模ながら凝った物作りをされています。
まずは、ザックのご紹介。
外側には強靭なX-pac生地を使用しており、擦れや破れに強くなっています。この生地はもともと、セーリングの帆用の生地ですので、防水性と、強度が自慢です。あと、見た目がいい👍
中はメインコンパートメントと、外側に大きなポケットのようなコンパートメントに分かれています。メインコンパートメントは、上からと、背面からアクセスが可能となっております。
背面側からアクセスする場合、背面パッド部をガバッと開いてからも通常のザックのアクセス部と同じような絞りが付いているので、荷物が勝手に出てきてしまうこともなく、背面から荷物をしまう時に非常に便利です。
次に、このザックの最大の特徴と言っていいのが、外側コンパートメントです。
パッカリ開き、物の出し入れができる上に、メインコンパートメントと隔離されていることから、様々な使い方ができます。公式サイトでも紹介されているように、ピッケルやアイゼンなどを収納することができ、1気室のザックに比べ、格段に使いやすいです。また、スコップをザックの中にしまえるというのは、外付けに比べ引っ掛かりがなくなるという利点も生まれます。そして使い終わった後も、メインコンパートメントと分かれているので、濡らしたくないものと分けてパッキングすることができます。
さらに、雨蓋も大きく、様々な道具を収納する事ができます。
次に、私個人の評価です。
使ってみた感想は、「あまり良くない」です。残念な評価となりましたが、コマーシャルではありませんので、正直に評価させていただきます。
理由は以下の通り、
①背負い心地が悪い
これが最大の理由です。やはりガレージメーカーの限界であるのか、背面部の作りが悪く、満足できませんでした。
大手のザックメーカーが、背面パッドを背中の曲線にピッタリフィットするように立体的に仕上げているのに比べ、全体的にのっぺりしており、フィット感がありません。。
また、背面パッドは、取り出せるようになっております(用途は明記されておりませんが、緊急時用途?)が、ちょうど背骨に当たる部分が膨らんでいるような形になり、フィット感がありません。
背面部を真横から撮影すると、中心部が出っ張ってる事が分かります。見やすいように、色をつけてみますと、下の画像のようになります。
さらに、ザックのずん胴で横広な形状も相まって、体が左右斜めになった際のザックの重心というか、背中との接点が右へ左へとフラつく印象です。大手ザックメーカーのザックは、背面が全体的にフィットしており、ウエストベルトがしっかりしているため、このようなことはありません。こちらのザックは残念ながら、ウエストベルトも脆弱ですし、締めたベルトが徐々に緩んできます。
背面パッドを取り出してみると、17センチ×41センチほどのパッドが2枚入っているだけで、ビバークなどの緊急時に下に敷く事などを想定しているのであれば、小さすぎるためあまり役立たないと思いました。
②機能性が高い分、操作が煩雑
最大の特徴でもある外側コンパートメント。利用するにはいい面も多くありますが、メインコンパートメントにアクセスする際など、いちいち外側のコンパートメントを保持するためのバックルを外さなければならず、手間です。ただし、こちらは外側コンパートメントの利便性と相殺されると考えられるので、良くも悪くもないゼロ評価です。
以上が、このバッグを秋から4月まで使用した評価でした。
因みに、この手の大型ザックには珍しく、ザック本体やウエストベルトにあるポケットにまでドレーン用の穴が空いているため、ネパールのような高所登山とは離れてしまいますが、沢登り適しているのではないかと思いました。