前回の記事で登場した、簡易ハーネスのご紹介です。
視覚的に説明した方が分かりやすいと思いますので、まずは、普通のハーネス。
ウエストベルトとレッグループの3つの輪で構成されています。それぞれの輪は体の前面で連結されています。
連結している輪っかをビレイループと呼び、ここにテンションがかかると、荷重を足と腰のループに分散する構造になっています。
次に裏面です。こちらも、ウエストベルトとレッグループが連結されていますが、荷重を分散させる機能はありません。レッグループがずり落ちてこない様に太ももの付け根の位置に保持する役目があります。
と、簡単ではありますが、以上がハーネス(シットハーネス)の構造となります。
急場をしのぐ目的で、これの代用品をスリングで作っていきます。
まず、使う道具は、120cmのスリング×2本、60cmのスリング×1本、安全環付きカラビナ×2個です。
それでは作っていきましょう。
①120cmスリングの両端それぞれに結び目を作り、レッグループになる部分を作ります。
②もう一本の120cmスリングを腰骨の上(ウエストの1番細くなっている部分)で結びます。結び方はスクエアノットを使います。理由は、荷重がかかっても、結び目が締まってこないため。他の結び方の場合、加重のかかり方によっては、結び目が体側に移動し、ウエストがギューーーッ‼️っとなってしまう危険性があります。
③レッグループ部を足に通し、ウエストベルトの部分と安全環付きカラビナで連結します。前面は、これで完成です。市販のハーネスと見比べてみると、構造的に同じであることがわかると思います。
④後ろ側に移ります。後ろ側の連結部分には荷重を支える役割はありませんが、このままではレッグループが垂れ下がってきてしまいますので、60cmスリングで連結します。まず、ウエストベルトにガースーヒッチで結んだ後、レッグループに通し、ウエストベルトと安全環付きカラビナで連結します。
あくまでも急場しのぎのハーネスであって、基本的には市販のものを使うべきです。また、スリングは、太めの方が食い込みにくいため痛くなりにくいです。