ニーモのエアマット『テンサー(Tensor)』がエア漏れを起こしました。
軽量なことはもちろん、かなりコンパクトに畳めて、それでいて膨らませた時には厚さが8センチにもなり、寝心地も良い!
『最高のマットに出会った』と感じ、冬用、夏用とテンサーに買い替えた。
エアーマットの弱点は穴が空くとぺちゃんこになってしまうこと。
例に漏れず、私も過去に冬山でエアーマットに穴を開けてしまい、寒くて眠れず一晩中体育座りで過ごしたほろ苦い経験もあり、ことさら丁寧に扱ってきた。
いや、扱ってきた“つもり”だった、、、
ついに先日、テンサーからもエア漏れが発生したことから修理したのだが、その後トラブルが続発。最初は、穴開けちゃっただけだと思っていたが、原因は別のところにありそう。
輸入代理店のイワタニ・プリムスに直接メールと電話で確認したので、ご紹介します。テント泊でのマット選びの参考になれば幸いです。
早速いっちゃいましょう。コトの顛末はこうです。
- メーカー:NEMO(ニーモ)
- モデル名:Tensor 20R(テンサー20R)
- 試用期間:2年半程
- 使用回数:15回未満
初使用から2年2ヶ月程経過した頃、エア抜け(1回目)が発生。何の疑問も持たずリペアし、終了。
その後、問題なく一回使用した。修理から1ヶ月ほど経過し、修理後2回目の登板。すると、またもエア漏れ(2回目)が発生。
1回目・2回目共にマットが破れた時のように、膨らませても直ぐに空気が抜けるわけではなく、時間の経過と共に少しづつ抜けていき、おおよそ5時間ほどで、お尻と背中の一部が地面に到達することから、小さなピンホールである事が想像できた。
自宅に帰り、またも修理する。ピンホールなので付属のリペアパッチを貼れば、問題なく復活した。確認のため、自宅でエアマットの上で寝てみると、無事にマットパンパンのまま朝を迎える事ができた。
それから約1ヶ月経過し、再度出番がきた。『今回は大丈夫だよな?(←製品としての信用を失った)』と疑心暗鬼になり、自宅で寝てみる。
すると、またエア漏れ(3回目)が発生。『使ってないのになんでっ!』とツッコミ、もしや、リペアが失敗してたんじゃ、、、と思い、水で確認するも問題なし。他の場所にピンホールを発見。
ここで、初めて気づきました💡
使ってないのに、エア漏れ。しかも、いつもピンホール、、、、もしかしてこれって、私が穴を開けてしまったのではなくて、製品自体に問題があるか、素材の劣化が原因ではないのか?
よくよく見てみると、ピンホールの空いた箇所はいづれも、表面生地と内側生地の溶着部の縁であった。また、同所は膨らませた際に凹むため、通常使用では凸部に比べて、体と擦る頻度は少ない。
にも関わらず、全て同じような箇所から2ヶ月という間隔を置かず自然発生的にピンホールが空く。
怪しいです、、、
疑念は色濃くなるばかり、、、
しかも付属のリペア用パッチが2つしかないため、3つ目の穴がリペアできない、、、
そこで、これまでの経緯と、写真をイワタニ・プリムスカスタマーセンターにメールで送りました。
内容は、簡単に言うと、
- リペア用パッチは販売しているのか
- 製品劣化によるエア漏れは発生するのか、又過去に発生した事例はあるのか
この2点。
そして回答は、
- リペア用パッチは販売していない。市販のリペア用品を使用してほしい
- マットエア漏れがパンクではなく内部から不具合が生じた事例としては(一般的な原因として)1.過剰加圧が原因 2.高温が原因 3.内部の乾燥が不十分 4.経年による劣化 5.初期不良 などが挙げられる。
- 過剰加圧や高温が原因の場合は使用年数との関連はなく、また初期不良は使用後すぐか1年を経過せずに発生している。
- 以上のことから、劣化が原因の場合、3の可能性が疑われる。
とのことであった。。
迅速・丁寧な対応をしていただいたお礼を伝えることと、文面では伝わりにくい部分を補完するため直電することにした。
分からないことは以下の点、
- 人が吹く息で過剰圧力となり得るのか
- 高温とはどの程度か。また、使用時・保管時どちらを指しているのか
- 吹き込み口しかない当該製品において、内部を乾燥させる方法があるのか
- 経年劣化の場合、どれくらいの期間で劣化〜ピンホールへと繋がるのか
面倒な客だと思われるだろうが、ニーモのマットについて見識を深めるチャンスである。私はこの製品を気に入っている。だからこそ、経年劣化であれば、直しても仕方ないので、新しいものを購入するしかないし、吹き込んだ息程度で過剰圧力と言うのであれば、耐久性に難があると言わざるを得ない。
口頭での回答ではあるが、判明した事項は要旨以下のとおり。
- 人間の肺活量で過剰圧力になることはない。日中にパンパンに膨らませたものをテント内に放置した場合、日光などによる温度上昇が、マット内部の空気を膨張させ、過剰圧力となる事がある。
- テント内で過ごす際に、空気を入れた状態で折り畳み、その上に座るなどすると、折れた部分にかかる圧力が過剰となる。通常使用において、体重がかかるのは過剰圧力にはならない。
- 呼気や空気中に含まれる水蒸気が、夜間の冷えで内部結露を起こす。乾燥させるには、使用後、バルブを解放し、マットを開いた状態で置いておく。ただし、これも気休め程度で、水蒸気の自然排気に任せるしかなく、実質的に乾燥させることは不可能。
- 経年劣化によるエア漏れの事例がほとんどなく、分からない。
とのことである。
では、カードが出揃ったので整理してみましょう。
私の登山スタイルでは、日中にマットをテント内に放置することはなく、エアーマットを畳んで座るようなこともない。むしろ❗️横になる時以外使っていない。尚且つ、購入後約2年間は快適に使用できていた。
ということは、考えられる原因のうち、1.2.5は消えた。
次に4。メールでの回答は、経年劣化によるエア漏れの可能性を指摘している一方で、口頭での回答では、経年劣化によるエア漏れの事例がないから分からないと、回答が変遷している。
つまり、素材の経年劣化で穴が開く可能性は否定できないが、当該製品を販売し始めてから現在までは経年劣化が原因のエア漏れが起こっていないということだ。したがって4も除外する。
最後にメーカーの方も可能性を指摘している3だが、私もこの中で劣化の原因になり得るとしたら3しか考えられない。
だが、しかし!完全に乾燥させる方法はないとのことから、対策の打ちようがない。
最後に、メーカーの方の個人的意見として、知らず知らずのうちにマットの上に座ったり、着替えたりする時に圧力が強まり、劣化により弱くなった部分から漏れ出たのではないかという指摘を受けた。
前述の通り、私はエアマットに穴を開けたくないため、寝る時以外はテント内でマットを立て掛けているので、この可能性は完全に否定できる。
以上がコトの顛末であるが、検証するため、3つ目の穴を補修し、風通しの良い暗所で平置き保存をしながら、定期的に寝てみる事とする。素材の劣化が原因であれば、4つ目・5つ目のピンホールが発生するはずである。
しかし、原因が経年又は内部水分による劣化であるなら、今後ともエア漏れの発生を防ぐことはできない。
ニーモ社のエアマットは、パンク以外の原因によるエア漏れのリスクがある以上、夏用はともかく冬用の使用はやめておいた方が賢明だろう。
To be continued ➡️