NEMO Tensor のエア漏れと修理 検証編

NEMO Tensor のエア漏れと修理 検証編

ニーモ社製のエアーマット(同社表記では、スリーピングパッド)のエア漏れが発生した件については、先日記事にした通りです。

その後、このエア漏れが経年劣化又は内部残留水分による素材の劣化によるものなのかを検証するべく、テストを行なっていました。

検証方法は以下のとおり、

  1. 過剰圧力とならないよう、夜に膨らませる。膨らませる時は、パンパンにはせず、少し余裕を持たせる。体温によって、空気がわずかに膨張しても、過剰圧力にはならない。
  2. マットの上にシートをかぶせた状態で使用する。直接触れない事で、外的要因によるパンクの可能性を否定する。
  3. 3日に1度の頻度で使用し、検証期間は21日間とする。劣化が原因でピンホールが空いているとすれば、同時期に発生することが予想されるため、期間を短く設定。
  4. 3回目の修理後に、バスタブに沈め、入念にピンホールがないか確認した。

これで検証してみました。

結果は〜〜〜〜〜

ジャン‼️

残念ながら、ピンホール4つ目と5つ目が立て続けに発生しました⤵️

まぁ、3つ目の時点で容易に想像できていたわけで、、、だからこそ、メーカーにまで問い合わせしたし、記事にしたわけで、、、

驚きはしませんが、お気に入りのギアだったので残念で仕方ありません、、、

では、せっかくなので、新たに判明した事実を。

  • ピンホールは全て生地と生地の溶着部分から発生した。
  • 溶着部分の上部で発生した。
  • マットの下肢を支える部分では発生しなかった。臀部及び背中部分で発生した。

因みに、前回の記事では、メーカーの担当者から聴取した内容を紹介しましたので、メーカーの見解と言えますが、今回の検証は、私個人が行ったものなので、個人的感想となります。

個別に見ていきましょう。

まず、ピンホールのできる場所ですね。前回の記事で紹介したように、表面生地と内部生地を溶着している部分にピンホールができるのですが、特に溶着箇所の上(マットを縦に置いた場合、吹き込み口側)に発生していることが、判明しました。

ピンホールは全部この位置に発生

空気を抜いた状態だと平面なので分かりにくいのですが、膨らませると、溶着部分が斜めになり、溶着部の上側によりテンションがかかっていることが分かりました。

頭側⇦ ⇨足側

横から見てみると、溶着部のの左側(頭側)が沈み込んでいます。右側(足側)はなだらかに盛り上がっていますが、左側は屈折する形になっており、ピンボールは全てこの箇所で発生しています。

また、“ニーモ テンサー エア漏れ 修理”や“パンク”などのキーワードでネット検索してみると、概ね皆さん同様の箇所からエア漏れしているようです。

次に、ピンホール5つ全てが、臀部(お尻)及び背中にあたる部分で発生していたことから、特に荷重のかかる箇所に発生していることが分かります。

以上のことから、溶着箇所に荷重がかかることで、経年か内部残留水分に起因するものかは判別できませんが、劣化等により弱くなった生地に穴が空くと推察されます。

補足として、ピンホールを修理している方のブログによると、概ね1年前後でピンホールが発生し、使用回数も10回を超えない方が多いように見受けられました。

穴のあく場所も一緒ですし、多分、製品自体か一部製品に欠陥があるのかなといった感想です。

ニーモ社の本国のサイトですと、ニーモ社は全ての製品に対して“life time warranty(生涯保証”をつけていますが、米国外(日本)については、代理店に問い合わせるように記載されています。

ニーモジャパンのサイト及び、代理店であるイワタニ・プリムスのサイトには“生涯保証”の文字はないので、本国とのアフターケアの差は歴然です。

ニーモ社からは、同シリーズとして、テンサー、テンサー・インシュレーテッド 、テンサーアルパインと3種類販売されており、それぞれ、内部の熱反射フィルムの数やプリマロフトの断熱層などで対応温度と価格に差があります。

しかし、それぞれの製品情報を確認してみたところ、使用されている表面素材はいずれも、『20DPUポリエステル』でした。

溶着部に問題があり、構造・製造方法が同じな以上、耐久力に差があるとは言えません。

つまり、同シリーズの製品ごとに価格や断熱性、使用環境に差があったとしても、エア漏れ・パンクのリスクは同程度となります。

それと、蛇足にはなりますが、『20DPU』の『PU』はポリウレタンコーティングを示しており、一般的に対応年数が5年程度と言われています。

TENSORが発売されたのが2016年初であった事を考慮すると、そろそろ発売初期の製品は素材対応年数がいっぱいっぱいになる頃かと思います。(5年間の生き残りがいるのかは不明ですが、、、)

素材対応年数については、イワタニ・プリムスのホームページでは残念ながら明記されていませんでした。

これから、冬山シーズンに突入します。せっかくの登山で、エアーマットのパンク・エア漏れは御免被りたいですね。

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